鹿児島土産話part.3「鹿児島が誇る純度100%菜種油」

かつて鹿児島が生産量日本一を誇っていた、鹿児島県産「菜種油」をリサーチ。
すぐ裏手の工場から菜種油の香ばしい香りが漂います。


国産の菜種にこだわり、大隅で育てた菜の花。
その菜種を絞って作る村山精油の「菜種油」。
先代社長の「村山実盛」さんは、菜種油一筋50年以上のベテラン職人。
村山さんが作る菜種油は、脱臭も脱色もしていない、
無添加、純度100%、最高品質の油。透き通るような黄金色をしています。
一升瓶1.8ℓの菜種油を作るには、およそ6kgの菜種が必要で、
村山精油では年間50t製造しています。
先々代の「村山 貞盛」さんが東串良町の広大な菜の花畑を見て、
ここで菜種油作りをはじめようと移り住んだのが昭和11年。
以来、菜種油造りを三代に渡って受け継ぎ、2011年で創業75周年を迎えます。
10月頃に種を蒔き、翌年5月後半から6月中旬までに収穫する。
収穫時期はちょうど梅雨時。空とにらめっこしながら、収穫時期を調整しています。
刈り取り前には雨に濡れた方が色付きが良くなる。
でも「さや」から菜種をとるとき、雨に濡れると「さや」から離れにくくなる。
しかも菜種が濡れると「芽」が出て、製油できなくなるんです。
貴重な梅雨の晴れ間に天日干しをして、太陽の恵みをいっぱいに浴びた菜種が、
美しく、美味しい菜種油になるといいます。
「菜種の天日干し」は時間がかかります。
乾燥機で一気に乾燥させることもできますが、菜種に強制的に熱を加えると、
菜種の質が変わり、油自体が酸化してしまうんです。
例え乾燥機に入れるとしても、30〜40度くらいの常温で風を送って乾燥させるんです。
手間と時間をかけて天日干しをするのには、こういう理由があったんです。
菜種油製造の工程。
50kg程度の菜種を大きな「炒り釜」に入れ20〜30分、きつね色になるまで炒る。
この時、途中で菜種を数粒取り出し、ヘラでグッと抑えたとき、
「パリ」っと弾けるように割れたらOK。
「炒り釜」から「菜種」を取り出し、「搾汁機」に入れて油を絞ります。
この時、菜種油の「原油」と「油かす」に分かれて出てきます。
村山精油では、一日にドラム缶4本分、およそ800ℓの菜種油ができるんです。
菜種油の原油をタンクに貯めて、上からお湯を入れる。
するとお湯が油の中の不純物と一緒に下に沈んでいきます。
一晩おいて上澄みの油をもう一度お湯洗いして一晩置きます。
二晩かけて不純物が取り除かれた上澄みの油に熱を加えて水分を完全に飛ばします。
水分を飛ばした油を、今度は和紙を仕込んだ「ろ過機」を通して、
ようやく黄金色の菜種油の出来上がりです。
最後の仕上げ、「和紙」を使って油を濾過する作業。
この和紙は蒲生町で昔から作られているもので、
村山精油ではずっとこの和紙を使い続けています。
それは、純度100%、無添加の菜種油を、薬品を使い化学合成した紙で濾過すると、
何らの成分が溶け出し、風味を損ねる恐れがあるから。
だからこそ、薬品を使わない昔ながらの「手漉き和紙」だけしか使わないんです。
ここにも、村山精油の、ゆずれないこだわりがありました。
今から75年前、「村山製油」創業当時の鹿児島は春先になると、
ほとんどの田んぼで菜の花が咲き乱れ、鮮やかな黄色い絨毯が春の訪れを告げていました。
その光景を見るたびに「今年も良い菜種油ができる」と楽しみにしていたそうです。
1957年、昭和32年、全国で最高の作付け面積258,600ha、
生産量286,200tを誇った、日本の菜種。
しかし、1971年、昭和46年には「菜種の貿易自由化」が始まり一気に減少。
2006年には、全国の作付面積が800ha、生産量は1,000tにまで落ち込みました。
その一方で、菜種の輸入量は220万t。
国内での「なたね」の自給率は0.04%にまで減少していました。
昭和30年代まで大隅半島に10軒ほどあった製油会社。
現在、大隅半島に残っているのは、村山製油一社だけ。
県全体でも数十軒あった製油会社が、現在5〜6軒にまで減少しているといいます。
これまで何度も辞めようと思った村山さん。
その度に、いろんな方々から「辞めないでくれ」と声をかけられ、
創業から75年、変わらず菜種油を作り続けています。
2006年、全国の菜種作付面積が800ha、生産量は1,000tにまで落ち込んでいた 国産の菜種。
ところが2010年の調査で、全国の作付面積がおよそ1,690ha、
1,570tにまで 持ち直しているんです。
だからこそ村山さんが、現社長の息子さんに伝えたいのは、
「苦しくても、菜種油作りを辞めるな」ということ。
いつか国産菜種油の良さに注目が集まり、
安心安全、本物の美味しさに気付いてもらえる日が来るはずだと。
75年続く村山製油の想いは、また次の世代に受け継がれていくんです。
村山精油が作る、無添加、純度100%「菜種油」の良さを生かした新商品の開発。
先代社長「村山実盛」さんから出された宿題をクリアすべく、最初に開発に取り組んだのが、
故郷鹿児島の味「黒豚味噌」。
最高品質を誇る村山精油の「菜種油」の良さを活かすためには、
全ての材料にこだわる必要があります。
まず「なたね油」と同じくらい重要なのが「味噌」。
様々な味噌を取り寄せ、この菜種油と相性のいい味噌を探し出すことに成功。
しかしようやく軌道に乗り始めた矢先、味噌を製造していた会社が味噌作りから撤退。
なんとか作り続けて欲しいとお願いすると、
逆に提案されたのが、この味噌を村山精油で自社製造すること。
創業以来「菜種油作り」一筋に取り組んできた村山精油が、
ついに「黒豚味噌」専用の味噌まで自社製造することになったんです。
その会社に半年間通い詰め、秘伝の味噌作りを伝授してもらい、
村山精油の味噌作りが始まりました。
村山精油が作る「黒豚味噌」。
無添加、純鹿児島産「菜種油」をベースに、自社製造の「味噌」、鹿児島産黒豚、
希少な国産「白胡麻」新潟産ニンニク、北海道産グラニュー糖、本格芋焼酎、
村山精油で育てた唐辛子など、その材料全て、完全国産にこだわった「黒豚味噌」。
そのこだわりは材料だけではなく、その原料にまで及んでいました。
この取材中に、鹿児島市内からフェリーで来たというお客さんが
この「ピリ辛黒豚味噌」をまとめ買いしていました。
「どうしてそんなにたくさん買うんですか」と尋ねると、
「少年サッカーをやってる息子達のお昼ご飯に、ピリ辛黒豚味噌を入れたオニギリが好評で、
そろそろなくなるので、また買いに来ました」とのこと。
「色々おかずを入れる手間も省けて、オニギリなら手軽だし、
何より、残さず食べてくるのが嬉しい」と話してくれました。
夏場は、子供達も食欲がなくなります。
でもこの「ピリ辛黒豚味噌」なら、夏バテを美味しく乗り越えてくれそうです。
今、私達の食卓では、必ずと言っていいほど「油」を使います。
3食はおろか、「おやつ」まで入れると4食全てに油が必要です。
有機栽培の野菜や果物、国産の牛や豚にこだわる一方で、
油についてはほとんど知らないままに使っていました。
ぜひこの機会に純国産菜種油の深い味わいと、料理に使ったときの底力を体験してください。

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