1月もこの時期となると、正月気分も抜けて、
2010年本格始動といった感じになる。

しかしながら、中には、
正月休みを少しずらして取るという人もいるらしく、
1月中旬くらいまでは、駅やバス停にいると、
そうと思しき方々を時折見かけていた。
そんな光景で印象に残ったお話しを一つ。

それは移動するために熊本駅へ行った時のこと。

三十過ぎの夫婦が土産物売り場で揉めている。
旦那さんは「いかにも仕事できまっせぇ〜」的風貌。
様子を伺うとある土産物を、
「買う!?買わない!?」で揉めているようだ。



その土産物とは一体何なのか?

それは「晩白柚(ばんぺいゆ)」。

熊本県は八代市の特産品で、
夏みかんを4〜5倍の大きさにしたような、
直径25センチになるのも珍しくない、
その大きさから「柑橘類の王様」とも呼ばれる果物。

これを見た旦那さんが、
その大きさと試食をしてみての美味しさでそれを気に入り、
お土産に是非とも買って帰りたい!」と奥さんに言っている。
けれど、奥さんはあまりそれに賛同している様子はない・・・
どうやら熊本出身だと思われる奥さんにとっては、
晩白柚はそう珍しいものでもなく、
どちらかというと持って帰るのに荷物になるので、
やめておきたいといった感じ・・・

しかし旦那さんは、
その「柑橘類の王様」に興味津々で、
出来ればお土産用に一つと、
自分達が家で食べる用に一つと、
合計二つの晩白柚を購入したいと主張している。

だが奥さんはなおも乗り気じゃない・・・

そこで旦那さんは折衷案を提示したようだ。
実は、大きいものは一つで1800円。
小ぶりのものは二つワンパックで、
1650円で売られていたのだけれど、
当初旦那さんが主張していた「大きいものを二つ案」を、
「小ぶりなものを二つワンパック案」に変更したらしい。

しかし・・・
それでも奥さんは煮え切らない・・・


けれど乗車予定の電車の時間が近づいているらしく、
そろそろ最終結論を出さなければならない時間が近づいてきて、
いよいよ議論が熱を帯びたかと思うと、
旦那さんが強行採決に出た!

小さく切り分けられた試食用の晩白柚を改めて試食し、
その美味しさを再確認すると奥さんに一言。

旦那さん
「買って帰らなきゃいけない!!!
こんなに素晴らしいもの!!!」


と言い放ち議論は採決された。


この日駅で見かけた、
肩からビトンのバックを下げて、
都会的な井出達をして、
いかにも「仕事できまっせぇ〜」的な人が、
お土産に晩白柚を買って帰るために、
奥さんと一生懸命戦っているその姿は、
ギャップもあってか随分と可愛らしく思え、
このお正月の名残ともいえる光景に、
なんだかほのぼのさせられた。