霧島には、OPENから23年経った今でも、
県内外から注文が殺到する、故郷の味があります。
霧島市牧園町にあります「有限会社もんぺおばさん」。


この「もんぺおばさん」では、「麹」から作る「醤油」「味噌」を中心に、
添加物を一切使わず、霧島の大豆を始め、地元の食材で作る
「故郷のお袋の味」を追求しています。
そして地元の材料を使って、昔ながらの作り方で心を込めて作り上げた、
「かからん団子」や「あくまき」「ゆべし」など、手作りの郷土菓子も人気なんです。

「もんぺおばさん」の「黒豚味噌」は、味のベースとなる「手前味噌」からお店で作っています。
しっかり寝かせた味噌と、出来て間もない若い味噌を合せて作る、黒豚味噌用のブレンド。
しかし気温の高い夏場は、味噌の醗酵が進みやすい。
逆に、寒い冬場は醗酵の進み具合が遅くなる。
生きている味噌を使う場合、夏と冬では、ブレンドする割合を調整しなくてはいけません。
これも昔から伝わる保存食ならではの知恵が生かされています。

夏も冬も、熱い湯気が もうもうと立ち込める大鍋を覗きながら、
ひたすら黒豚味噌を作り続ける。
作業を終えると、着替えないと帰れないほど、大量の汗をかいているそうです。
それもこれも、「美味しい」と食べてくれるお客さんの「笑顔」のためだといいます。

ほくほく熱々の「ふろふき大根」の上に、出来立て熱々の「黒豚味噌」を乗せていただきました。
粗挽きの黒豚ミンチの味が、水分の多い「ふろふき大根」に負けていない。
そこに遅れて生姜と七味のピリっとした辛味が利いて、どんどん箸が進みます。
それでも後を引くような辛さじゃないので、他の料理の邪魔にならないんです。
ぱっと見は「味噌田楽」ですが、まるで懐石料理に出てくるような上品な味わいでした。

霧島の子供達が社会に出て、霧島を巣立っても、また霧島に帰ってきたいと思う、故郷の味。
これが「もんぺおばさん」が掲げる大きなテーマ。

一昨年、突然火事で全焼してしまったお店。
もう一度お店を立ち上げるべきか悩んでいたスタッフのもとに、
「うちの家族は、もんぺおばさんの味噌を使った味噌汁じゃないと食べてくれないから、
早く復活して欲しい」といった、復活をのぞむ声がたくさん寄せられました。
20年以上守り続けた店が焼け落ち取り壊されても、
霧島の人々の心には「もんぺおばさん」のお袋の味がしっかりと染み込んでいたんです。
それから元あった場所のすぐ近くに、もう一度「もんぺおばさん」をオープンさせました。