リスナーの皆さん、シネマスケープファンの皆さん
今日の番組はいかがでしたか?
どうぞ、番組後はこちらのブログもお楽しみください。
さて、今回のテーマは「 怪獣映画 」 です。
私が怪獣映画と聞いて、真っ先に出てくるのは「ゴジラ」です。
怪獣映画というものを文芸的側面から見た場合、そのストーリー展開はおよそ二つのタイプに大別されるみたいです。
ひとつは『キングコング』に代表されるような「秘境への冒険」や「怪物の発見・捕獲」などを発端にした展開。
そしてもうひとつは「水爆実験」や「環境汚染」、「薬害」、「宇宙探査」、「隕石落下」など科学的事象を発端にして、古生物の復活・現存生物の怪獣化・宇宙から未知の生物が襲来(または繁殖)といった、ある程度のSF性を持った展開のようです。
東宝の『ゴジラ』をはじめとする日本の怪獣映画の場合、後者のタイプが多いですね。
しかし、『ゴジラ』の映画はシリーズ化されるにつれてSF性や人間ドラマが薄められ、ゴジラの活躍そのものを主軸にしてストーリーを転がし、次々に現れる新怪獣との対決を見せ場にした「怪獣対決もの」ともいうべき内容にシフトしていきました。
大映の『ガメラ』も同様ですが、『ガメラ』の場合はむしろ子供たちに楽しんでもらう為の「現代のお伽噺」を目指し、明確な意図を持って怪獣対決路線へ進んでました。
東宝はゴジラシリーズとは別の方向性を示す怪獣映画の模索を図り、外国資本を取り入れ、欧米で人気の古典的怪物「フランケンシュタイン博士の人造人間」に着想を得たホラー色の濃い作品『フランケンシュタイン対地底怪獣』、そして『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の2本を作ったが、この路線は定着しなかったようです。
来週もお楽しみに~。